墾丁での孤独な夜を乗り越えて外に出てみると、昨夜と同じ賑やかな通りとは思えないほど閑散としていた。
墾丁にはきれいな海と森があるらしい。
交通手段を民宿の人に訊くと、レンタルバイクがいいとのこと。
125ccのスクーターを借りて観光スタート。
しかし、ガソリンが全然ないことに気づき、ガソリンスタンドへ。
メーターの半分くらいまで入れてもらった。
よし、改めて観光スタート。
しかし、予想以上に日差しが強いことに気づき、コンビニへ。
日焼け止めクリームを買って、顔や腕にしっかり塗った。
今度こそ、観光スタート。
バイクに乗るのは久しぶりだ。
大学時代に400ccのホンダに乗っていたが、結局四輪の方が楽なので、バイクから遠ざかっていた。
爽快。海風が気持ちいい。一人でも全然楽しいじゃん。
目的地は特にないけど、観光ポイントは簡単に分かる。
車やバイクがたくさん停車してある場所に立ち寄ればいいのだ。
海の透明度が高い。太陽が雲から出てきて海面を照らすと、海の色が明るい緑色に変化する。
結局、「台湾の最南端」という場所まで行くことにした。
バイクを駐車し、歩いてそのポイントに向かう途中。
最南端のポイントには何組かのカップルと大学生らしきグループがいた。ちょっと騒がしい。
風景は特に美しいわけではないが、最南端という響きがテンションを上げてくれる。
ひどく暑い日だった。
バイクで市の中心部に戻り、マクドナルドで昼食を済ませた。
やや疲労を感じたが、今度は山の方向へバイクを走らせる。
どんどん登る。車がほとんどいないので走りやすい。
その一方で、この方向で正しいのかと不安にもなる。
この公園はすばらしかった。
森の中を歩いているだけで、冒険している気分になる。
原生林の力強さ、虫や野鳥の鳴き声、飛び交う蝶の美しさ。
疲れているはずなのに、歩くのが楽しくて仕方がない。
そんな森林公園でした。
バイクで下山し、一人寂しくビーチで夕日を眺めながら墾丁の観光は幕を閉じたのでした。
改めて思った。
一人でリゾート地、特に海には行かないほうがいい。寂しすぎる。
でも、墾丁には美しい森がある。
森はいい。
賑やかなカップルとか学生たちとかがいないので、一人でも孤独が際立つことがないから。
さらば、墾丁。
何だかんだでまた来たい、と思った。今度は一人ではなく、誰かと。