通訳案内士の合格者が急増。なぜ中国語の合格者だけが増えない?

2015年度、通訳案内士の合格者が大幅に増えたらしいです。
しかし、中国語の合格者は5人しか増えていません。

その理由や、どうしたら通訳案内士が増えるのかなどについて考えてみました。

出願者と合格者の数(2015年度)

日本政府観光局が2015年8月に「2015年度 通訳案内士試験」出願状況を発表しました。

出願者数は過去最高の1万2168名、前年比51.4%増でした。

言語別の出願者数(2015年度)

英語 9451名(前年比59.4%増)
中国語 1414名(前年比35.8%増)
韓国語 376名(前年比13.3%増)

また、出願率が大きく伸びたのはタイ語で、前年比41.5%の増加でした。

合格者数(2015年度)

観光局によると、2015年度の通訳案内士試験の合格者は、過去最多の2119人だったそうです。
前年度から28%増です。

→ 受験者及び合格者数、合格基準(観光局)

訪日観光客が増えていることで国家資格「通訳案内士」の人気が高まっているそうです。

中国人観光客が急激に増えているので、中国語の合格者が増えたのだろうと思ったら、そうではありませんでした。

今回の合格者で全体の86%(1822人)を占めているのは英語の受験者です。

受験できる外国語は英語、韓国語、中国語など10種類あります。

そのうち、中国語の合格者は86人で、2014年度から5人増に留まっています。

続いて合格者が多かったのはフランス語とスペイン語。

の次に韓国語の40人です。

2015年の訪日観光客は、中国語圏と韓国が全体の7割を占めています。

訪日外国人観光客の数ランキング

1位 中国人、台湾人(中国語圏)
2位 韓国人

通訳案内士の合格者数、科目別ランキング

1位 英語
2位 中国語
3位 フランス語
4位 スペイン語
5位 韓国語

データの数字からわかること

中国語圏からの外国人観光客が圧倒的に多いにもかかわらず、中国語通訳案内士が増えていないということになります。

韓国語が5位というのもかなり意外です。

中国語通訳案内士の合格者が増えない理由

資格の必要性が乏しい

日本に旅行に来る中国人が増えていますが、その最大の目的は買い物です。
しかし、中国語通訳案内士がいなくても爆買いはできます。

また、多くが団体旅行なので、中国から添乗員が付いてきてずっと旅行者の面倒を見ます。

そのため、中国人観光客の増加と通訳案内士の必要性とが結びつかないのだと思います。

結果、本気でその資格を必要としている人は少なく、勉強にも熱が入らないのではないかと考えてしまいます。

一次試験の壁、中国語の壁

2015年度の受験者
1414名(前年比35.8%増)
2015年度の合格者
86名(前年比5人増)

中国語の受験者が前年比35.8%増加しましたが、合格率は一桁です。

→ 受験者及び合格者数、合格基準 2015年度(PDF)

政府は通訳案内士を増やす方向で調整しているはずなので、試験も簡単になっていくと予想していたのですが、難易度は変わっていないようです。

受験者は日本人も台湾人も中国人もいます。

日本人にとって、中国語はとっつきにくい言語の一つだと思います。

一次試験の中国語、二次試験の中国語での面接という壁をこえられない人が多いのかもしれません。

一方、外国人受験者にとって、一次試験の日本史、地理、一般常識はかなり難しく、大きな障害となっているのでしょう。

大学受験レベルの広い知識が必要なので、この科目で合格点をとれる外国人を私は尊敬します。

→ 通訳案内士の独学合格に最重要なもの2つ

→ 通訳案内士試験、中国語の一次試験対策はこれでOK

通訳案内士を増やすために必要なこと3つ

政府が通訳案内士を増やそうと本気で思うのなら、いかの三つが必要だと思います。

生計を立てられる独占業務の確立と明示

最近は通訳案内士という資格が知れ渡ってきましたが、はやり知名度がいまいちです。

また、独占業務は、通訳ガイドをして報酬をもらうことなのですが、これだけど仕事にして生計を立てている人はまずいないと思います。

なぜなら、通訳ボランティアなどの数も増えているため、それに反比例して、通訳案内士に依頼する人が減ってきているからです。

つまり、独占業務はあってないようなものです。

生計を立てられる独占業務の確立と明示が必要だと思います。

通訳案内士業務を無資格者が行った場合の罰則強化

上記のように独占業務を確立したら、無資格者に対する罰則を強化することが必要だと思います。

通訳案内士会の設立

通訳案内士をまとめ力強く推進していく組織が必要です。

また、政府に政策を促す力も必要です。

数は力なり、ということですね。

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