台湾の慈濟 巨額の見舞金、東北被災者へ直接配布

今年も3月11日が近づいてきました。

いろんな記事を見ていたら、台湾にある仏教慈善団体「慈濟」の活動に驚かされました。

台湾のお坊さんが被災地を訪れているのをテレビのニュースでチラッと見たことはありましたが、その支援の規模の大きさまでは知りませんでした。

台湾の慈濟とは

正式名称はたぶん「慈濟」(中国語の発音で「ツーチー」)

→ 慈濟のホームページ(中国語)

→ 慈濟のホームページ(日本語)

→ 慈済基金会(Wikipedia)

以下、Wikipediaより抜粋

慈済基金会(じさいききんかい、正式には財団法人 中華民国 仏教慈済慈善事業基金会)は、台湾の仏教系の慈善団体。

印順の弟子の釈証厳によって1966年4月14日に台湾の花蓮県で「仏教克難慈済功徳会」(慈済功徳会)として設立された。

「慈済」の由来は「慈悲為懐、済世救人」(慈悲を抱き、世を助け人を救う)

尼僧が主婦グループを主導したことに始まるので、女性が主要メンバーとして活動することで知られる。

慈濟の活動

奉仕、医療、教育、人文、国際支援活動、骨髄バンク、社会ボランティア、環境保全

東日本大震災での奉仕活動(一部)

→ 東日本大地震住宅被害見舞金配付活動一覧表

慈済基金会・東日本大地震住宅被害見舞金配付活動一覧表

第一回 2011年6月9日〜12日: 岩手県釜石市、陸前高田市
第二回 2011年7月16日〜18日:岩手県大槌町、山田町
第三回 2011年7月29日〜31日:宮城県気仙沼市
第四回 2011年8月27日〜29日:岩手県大船渡市、宮城県南三陸町
第五回 2011年9月10日〜12日:宮城県女川町、東松島市
第六回 2011年9月23日〜25日:岩手県宮古市、洋野町、久慈市、野田村、田野畑村、岩泉町
第七回 2011年10月20日〜24日:宮城県石巻市、名取市、氣仙沼市、東松島市、女川町、岩手県大船渡市

第八回 2011年11月9日〜11日:宮城県多賀城市、塩釜市
第九回 2011年11月25日〜27日:宮城県七ヶ浜町、利府町、松島町、亘里町、山元町
第十回 2011年12月3日〜5日:福島県相馬市

見舞金50億円を被災者に直接配布

以下、金子昭教授(天理大学)

→ http://www.chugainippoh.co.jp/ronbun/2013/0124rondan.html

慈済会が東日本大震災後に大規模支援活動を展開し、50億円もの義援金を被災者に直接配布したことは、我が国では一般メディアで報道されないため、関係者以外にはほとんど知られていない。

民間団体による災害救援は、通常の場合、ボランティア活動や食糧や生活物資などの物的支援が行われることが多い。慈済会も今回そうした活動や支援を最初期において相当規模で行っている。だが、そうした動きの中で、いま被災者に必要なのは自由に使える当座の現金であり、これをできるだけ早く届ける必要があるということを、日本支部を通じていち早く把握し、義援金の直接配布の活動に全力を挙げたのである。

震災後、世界中から多額の義援金が寄せられていたにも関わらず、被災者の手元に届くまで時間がかかっていました。

どの自治体にいくら、誰にいくら支給すればいいのか、判断する基準がなかったからです。

被災者はいますぐに生活資金と物資を必要としていたのですが、行政は公平性を意識するあまり、自由に思い切った行動が取りにくい状況にあったと思います。

そんな中での、慈済会による見舞金の直接配布はとても助かったことでしょう。

台湾政府外交部の発表によるデータ(義援金)

→ 外交部:台湾の政府と民間による日本への義援金一覧(台北駐日経済文化代表処)
http://www.taiwanembassy.org/JP/ct.asp?xItem=204140&ctNode=1453&mp=202

外交部:台湾の政府と民間による日本への義援金一覧

3月11日に日本で発生した大地震および津波被害、福島原発事故に対する、台湾の政府と民間による義援金について、外交部NGO委員会が5月30日18時の時点でとりまとめた義援金総額を発表した。それによると、政府による義援金合計額は、7億277万元(約20億円)、民間団体による義援金合計額は、53億1,868万元(約149億円)で、総額60億2,145万元(約169億円)となった。

詳細は以下のとおり:

●政府機関による義援金  7億277万元(約20億円)
(1元=約2.8円)
・外交部      4億7,713万6,234元
・新北市政府      6,857万元
・台中市政府      3,114万元
・雲林県政府         25万元
・南投県政府        824万元
・南投県草屯鎮公所      85万元
・南投県鹿谷郷公所     283万元
・彰化県政府        203万元
・台南市政府      4,303万元
・桃園県政府        530万元
・高雄市政府      4,045万元
・苗栗県政府        285万元
・内政部賑災専戸     ※192万元 (外交部の合計額に含まれる)
・嘉義市政府      2,010万元
●民間団体による義援金  53億1,868万元(約149億円)

・中華民国紅(赤)十字会総会   22億2,263万元
※政府援助の1億元を含む
・台湾世界展望会          3億5,000万元
・慈済慈善事業基金会       18億2,044万元
・中華基督教救助協会          1,173万元
・中華民国聯合勧募協会       1億942万元
・台湾家扶基金会            4,904万元
・台南市美好社区関懐協会           41万元
・民進党党部              8,540万元
・財団法人仏光山慈悲社会福利基金会   2,294万元

以下は民間が義援金を直接に日本へ寄付

・長栄集団張栄発氏の個人名義   約3億6,380万元
・中国信託慈善基金会         約3,800万元(1億円)
・台湾省仏佛教会           約2,247万元
中華仏教比丘尼協進会
屏東県仏教教会
新竹市仏教教会
・松山慈佑宮             約1,100万元
・中華民国工商協進会           約643万元
・台湾路竹会               約293万元
・台湾区螺絲工業同業公会       約1,625万元
・日本交流協会          約2億2,224万元
(※台湾人が直接寄付したもので、高雄市政府の4,045万元を含む)
・王金平・立法院長の個人名義        100万元
・中華民国基督教女青年会教会        300万元

【外交部 2011年5月30日】

こうやって見ると、台湾のみなさんから強力に応援していただいていることを改めて実感します。

慈濟の活動、なぜ日本で知られていない?

上記から、慈濟の活動や義援金が尋常でないことがわかりますが、なぜ日本では知られていないのでしょうか。

理由の一つに、慈濟の運営方針があると思います。

国際救援活動に際しては、

1.政治や商売の話をしない。
2.会の宣伝をしない。
3.仏教を広めない。

を規則としている。

この運営方針にはグッとくるものがありますね。

見返りを求めない、かっこよさがにじみ出ています。

私は慈濟の人間ではないので、遠慮なくこのブログで広報できるわけです(笑)

岩手県と慈濟

去る2015年11月10日、台北西華飯店にて、「つながりに感謝 東日本大震災津波・岩手県復興報告会」が開催されました。

その招待者の中に、「財団法人仏教慈済慈善事業基金会」があります。

以下、岩手県のホームページより抜粋
http://www.pref.iwate.jp/kouchoukouhou/kaigai/040839.html

東日本大震災津波以降、多大なご支援をいただいた台湾の皆様に、深い感謝の意をお伝えするとともに復興に向けて邁進する岩手県の姿を発信する、「つながりに感謝 東日本大震災津波・岩手県復興報告会」を、11月10日(火曜日)、台湾・台北市のザ・シャーウッド台北(台北西華飯店)で開催しました。

報告会には、復興支援をいただいた台湾在住の関係者など約200名の方に御出席いただき、達増知事が復興支援に対する御礼と復興の取組を紹介するスピーチを行いました。
また、大槌町出身の歌手、臼澤みさきさんによるミニコンサートを行い、会場からは多くの拍手が送られました。

慈濟のみなさん、台湾のみなさん、心から感謝しております。

ありがとうございます。

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